

老舗人気製麺所「浅草開化楼」の営業担当。「六厘舎」を筆頭に数多くのヒット麺の配合を手懸けるカリスマ製麺師にしてフリーのプロレスラー。2009年には自身オリジナルブレンドの小麦粉「傾奇者」を日清製粉から発表、会社の枠を飛び越え製麺業界全体に与える影響も大きい。『製麺屋に営業はいらない』と現場主義を貫き、常にラーメン界にプロレスを仕掛けていく要注意人物。
2010.2. 25up
今回で終わりのこの連載で紹介してきたお店には、共通する2つのテーマがあった。オンリーワンの味であること、そしてもう1つ『ラーメン屋は場所じゃないぜ』ってこと。潰れそうだった街の中華屋さんを麺専門の誰もが知る路地裏の名店に押し上げた『担々つけ麺』は飯岡店主の直向きな努力の結晶。今やメディアに登場するのも当たり前のお店だが、その影響が落ち着いた後も高いレベルの客足を常にキープし続けているのが凄い。海老薫る『正油つけめん』は、「桃天花」の『担々つけ麺』が安易に作った担々麺のつけめんバージョンでないことを教えてくれる俺の大好きな一杯。努力は必ず誰かが見てくれている。ラーメン屋は場所じゃないんだ。
2010.2. 18up
多少交通の弁が悪くても此処じゃなきゃ食えない、食わずに死んでいく奴が可哀想だと俺が言うんだから武蔵小山に行けばいい。夜営業オンリーの敷居の高さ、加えて開店時間を過ぎても中々シャッターを開けないことの多いオヤジだが、それを超えてもお釣りの来るオンリーワンな一杯に出会える。この店の醤油ダレは古式3年半熟成の生醤油一本。見た目真っ黒なスープだがしょっぱさの欠片もない繊細な味わいにビックリすることだろう。これに特に味付けもせず、ラードで炒めただけの最強トッピング『とりたま』が加わればまさに天下無双のジャンクラーメンに早変わり。『ジロリアン』に対抗して『ジライヤン』、『富山ブラック』に対抗して『小山ブラック』と名乗らずにいられないオヤジのセンスも最高。
2010.2. 10up
単純明快のふざけた店名である(笑)都電「東池袋」駅の真横。つけめんの始粗・山岸一雄マスターの「東池袋大勝軒」に程近い裏路地の立地。その見た目から『富山ブラックインスパイア』と表されることが多いが中身は全くの別物、正にオンリーワンな一杯と思ってもらいたい。フレンチ出身の渡邊店主が作るのはコンソメドゥーブルという手法で摂った白湯を超えた褐色の鶏スープ。鶏の旨味の詰まり方がハンパないのだ。これが、敢えてしょっぱめに付けられた焼豚ソバの醤油味に負けないくらいに顔を出す。これに気付きハマったら最後、一生抜けれない。俺は決して大袈裟ではなく、第2の二郎に成り得る一杯だと思ってる。
2010.2. 4up
四谷四丁目サンミュージックの並び、外苑東通りのゆるやかな坂道を下った途中にひっそりと佇む店。中途半端な立地だが、少しくらい歩いても食べるべき価値のある一杯に出逢える。和食出身の渕上店主はラーメン店での修行こそない全くの独学だが、自分のラーメンに真摯に向かい続けた経験が研ぎ澄まされたオンリーワンと言える味を作り上げた。魚介が鮮烈に効いたスープはまるでその中で泳ぎたくなる程で、毎日食べても飽きない。2月中の土曜日30食限定の『煮干しラーメン0』は、味の主軸を決めるべきタレを一切使用しない必食の一杯。魚介を立たせながら支える動物系のバランスの良さも感じられる力作だ。開業から7年目。この名店はもう、隠れてなくていい。
